パートナーシップ
NYU Langone、年間1,200万件の受診に対応するEpic EHRにOpenEvidenceを導入

2026年10月29日、NYU Langone HealthとOpenEvidenceは、OpenEvidenceのPatient Aware Clinical IntelligenceをNYU Langoneの電子カルテ「Epic」に組み込む提携を発表した。これにより、年間1,240万件の外来受診に対応する医療システム全体で、医療AIプラットフォームを利用できるようになる。
Epicとの連携の仕組み
連携により、NYU Langoneの臨床医はEpicの電子カルテ上で、自然な言葉で複雑な臨床上の質問を入力できる。患者の状況を踏まえ、査読済み医学文献に基づいた回答が得られる。発表によると、この仕組みは査読済みの医学的根拠を各患者の診療記録と結び付け、ニューヨーク市、ロングアイランド、さらにはその先の地域で診療にあたる医療チームを支援する。
発表では、NYU Langoneは米国を代表する学術医療システムの一つであり、Vizient, Inc.による医療の質の評価で全米第1位にランクされていると説明している。また、OpenEvidenceについては、米国の医師に最も広く利用されているAIと位置付けている。この連携により、NYU Langoneは臨床チームが診療の現場で入手可能な最善の医学的根拠を活用できるようにする。
NYU Langoneでの導入規模
発表によると、NYU Langoneは年間1,240万件の外来受診と42万1,000件を超える救急外来受診に対応しており、ニューヨーク地域とフロリダ州にある7カ所の入院施設と400カ所を超える外来施設にまたがっている。全米最大級の連邦認定地域保健センター・ネットワークの一つとされるThe Family Health Centers at NYU Langoneは、ブルックリンとその周辺地域で、およそ60万件の受診を通じて年間10万人を超える患者を診療している。6,000人を超える医師と教員、2,000人を超える研修医とフェロー、そして5万4,000人を超える職員がこの医療システムを支えている。発表では、同システムを、全米で最も人口の多い大都市圏における最大級の医療提供機関の一つと説明している。
導入対象には、医療システムの病院と外来診療ネットワークに加え、The Family Health Centersも含まれる。また、NYU Grossman School of MedicineとNYU Grossman Long Island School of Medicineの医学生や研修生も対象となる。
NYU LangoneとOpenEvidenceのコメント
「NYU Langoneでは、安全で実用的な環境のもと、規模を問わず臨床医が最新技術を利用できるよう、OpenEvidenceとの協力に取り組んでいます」と、NYU Langone Healthのエグゼクティブ・バイスプレジデント兼副学部長で、最高デジタル・情報責任者を務めるNader Mherabi氏は述べた。
OpenEvidenceの創業者兼CEOであるDaniel Nadler氏は、NYU Langoneは国内でも並ぶところの少ない規模でニューヨーク市民を診療しながら、専門分野を問わず医療の標準を確立していると述べた。また、米国の医療が大規模な実力を証明する場がニューヨークだと語った。「NYU Langoneの診療記録にOpenEvidenceを組み込むことで、このシステムが毎年支える1,200万件の受診すべてに、世界の医学文献が活用できるようになりました」とNadler氏は述べ、全米最大の大都市で医療を支えられることを誇りに思うと付け加えた。
2026年に行われた医療システムとの連携
NYU Langoneへの導入に先立ち、OpenEvidenceは2026年9月と10月に、ほかの医療システムとの連携を発表していた。
2026年9月16日、OpenEvidenceとMemorial Sloan Kettering Cancer Centerは、2つの連携を組み合わせた双方向の提携を発表した。その内容は、OpenEvidenceをMSKのEpicワークフローに組み込むことと、MSK以外の医療機関の医療従事者がOpenEvidenceを通じて利用できる、MSKの精密腫瘍医療向け知識ベースOncoKBである。発表によると、OncoKBは2021年10月に、米国食品医薬品局(FDA)から部分的な承認を受けた初の体細胞性がん変異知識ベースとなった。また、米国の血液腫瘍医の半数を超える人々が、最も複雑な腫瘍に関する疑問についてOpenEvidenceを利用している。
2026年9月22日、OpenEvidenceとUniversity of Texas Medical Branchは、連携を発表した。この連携により、UTMBの電子カルテにOpenEvidenceが組み込まれ、臨床医は通常のUTMB法人アカウントの認証情報でサインインし、医学文献、診療ガイドライン、その他の情報源を引用した回答を受け取れる。UTMBでは2026年3月に連携の運用が始まり、両組織によると、現在はUTMBの臨床医の半数を超える人々が、テキサス州南東部の4キャンパスにある病院と100を超える診療所で、臨床上の意思決定を支援するためにOpenEvidenceを積極的に利用している。
2026年10月1日、AdventHealthとOpenEvidenceは、同日中の提供開始を発表し、AdventHealth全体の医師、看護師、薬剤師、ケアマネジャー、セラピスト、その他の臨床職種がOpenEvidenceを利用できるようにするとともに、電子カルテシステム内の既存の業務フローに統合した。この発表では、このツールは臨床医の専門性や説明責任に取って代わるのではなく、それらを支援するものとして位置づけられている。また、あらゆる診療上の判断は、専門家としての判断、患者一人ひとりの状況、そして患者と家族、ケアチームとの関係に根ざし続けると述べている。












