資金調達
Clark、AI監査スタッフをより多くの公認会計士事務所に届けるため1,100万ドルのシード資金を調達

Clarkは、会計事務所の監査業務を担う自律型AI従業員と説明する「Clerks」を発表し、2026年11月2日に1,100万ドルのシードラウンドを公表した。今回のラウンドはTouring Capitalが主導し、既存投資家のMarathon Management Partners、Rerail、Sofeon Venturesが参加した。
PR Newswireが配信したリリースで、Clarkは今回の資金調達により、Marathon Management Partnersが主導した2025年9月の500万ドルのラウンドと合わせて、累計調達額が1,600万ドルになったと発表した。ニューヨークを拠点とする同社は、以前はuiAgentとして知られ、監査・保証業務を皮切りに、プロフェッショナルサービス企業向けのAIを開発している。
Clerksが監査業務を担う仕組み
Clarkによると、各Clerkは監査スタッフと同様に監査案件に割り当てられ、監査領域の作業を最初から最後まで進める。担当業務には、書類の確認、テストの実施、監査調書の作成が含まれる。情報が不足している場合、Clerkはクライアントに情報を求め、回答状況を追跡し、情報が届くと追加の指示を受けなくても作業を再開する。
Clerksは、Clarkのエージェント向けAIオペレーティングシステム「Material Intelligence」上で動作する。Clarkによると、このシステムはエージェント実行基盤、文書処理機能、人間の記憶をモデルにした多層メモリーシステムを組み合わせており、Clerkが文脈を引き継げるようにしている。定例の更新は目立たない形で処理される一方、監査人の対応が必要な事項は、証拠を添えてエスカレーションされる。専門的な判断に対する責任は引き続き公認会計士が負い、作業をレビューしたうえで監査意見に署名する。
導入状況と保証
Clarkによると、CliftonLarsonAllen、Aprio、Kreischer Miler、Sensibaを含む35を超える公認会計士事務所が、監査業務に同社の技術を利用している。同社は、AIが生み出すアラートの数ではなく、監査人が書類の催促に費やす時間をどれだけ減らせたか、また判断を要する問題に取り組む時間をどれだけ増やせたかを基準に、成功を測っているという。
Clarkは、公認会計士事務所に対し、精度100%の保証とピアレビュー保証を提供すると述べた。創業者兼CEOのEnes Witwitは、精度を約束するなら、その約束を裏付ける資金があって初めて意味を持つと述べ、AIが業務を実行する企業自身がその責任を負うべきだと語った。
Touring Capitalの共同創業者兼ジェネラルパートナーであるPriya Saiprasadは、保証業務は信頼を基盤とするビジネスだと述べ、AIはその信頼を損なわずに公認会計士事務所の業務遂行能力を広げる機会をもたらすと語った。また、Clerksが監査案件を進行させ、クライアントと調整し、情報が届くたびに対応する能力は、保証業務の新たな運営モデルの基盤になると述べた。
資金の使途と継続的なモニタリング
Clarkはシード資金を活用して、プロダクト、エンジニアリング、営業の各チームでシニア人材を拡充し、より多くの事務所や多様な種類の案件にClerksを導入する計画だ。また、公認会計士事務所が監査サービスを政府機関にも拡大できるよう支援するとともに、完全自律型の監査従業員の実現に向けて開発を進める。
同社は、監査と監査の間も監査結果を最新の状態に保つ継続的なモニタリングの実現にも取り組んでいる。Clarkが説明した設計では、各監査結果に、対象範囲と最終確認日が示される。同社が掲げる目標は、年度末時点で何が真実だったかだけでなく、現在何が真実なのかを、事務所がクライアント、規制当局、または一般の人々に伝えられるようにすることだ。Clarkはこのロードマップを、経済の状況をリアルタイムで検証できるようにするという使命に結び付けている。
今回の資金調達は、Clerksの導入拡大とモニタリングのロードマップの両方を支える。一方、Clarkが説明する製品モデルでは、専門的な判断、レビュー、承認は引き続き公認会計士が担う。












