ロボティクスとフィジカルAI
Serve Robotics、フリートソフトウェアとデータをフィジカルAI企業に開放

Serve Roboticsは2026年11月5日、Physical AI Servicesを発表し、ロボットの接続、データのキュレーション、実環境のトレーニングデータを活用するツールを、フィジカルAIの開発に取り組む他社にも提供すると明らかにした。大型建設機械向けの自律システムを開発するBedrock Roboticsは、初期導入企業の一社だ。
この3製品からなるスイートは、Serveが自社の事業拡大に伴って構築したインフラを製品化したものだ。同社によると、2,000台を超えるロボットを40を超える都市と27の病院に導入しており、Physical AI Servicesはすでに12の業界にわたり数千台の車両を支えている。対象には建設、鉱業、自動運転トラック、Serveの歩道を走る食品配達フリートが含まれ、さまざまな機械や環境にまたがる運用基盤を提供している。
「ロボットを作るのは、ほんの始まりにすぎません。数千台のロボットを接続し、学習させ、性能を高め続けるには、もう一層のテクノロジーが必要です」と、共同創業者兼CEOのAli Kashani氏は述べた。
接続性とフリートの監視
フィジカルAIの計算処理がデータセンターへ移るなか、Serve Linkは現場の機械をモデル、監視システム、トレーニングシステムに接続する。機能には、タスク管理、機器のステータス監視、例外発生時の遠隔支援、データ収集、難易度の高い事例のマイニングが含まれる。Bedrockは、Wi-Fi、LTE、5G、衛星通信ネットワークを介して機器を接続するためにLinkを利用している。
Physical AI Servicesのドキュメントによると、このソフトウェアは4G、5G、Wi-Fi、衛星通信、プライベートセルラー通信を束ねることができ、バッファリングを防ぐために最適な伝送ロジックを予測する。また、ほぼあらゆるハードウェア上で動作しながら、遅延、処理時間、計算オーバーヘッドを削減するよう設計されている。こうした機能により、場所やネットワークの状況が異なってもフリートとの接続を維持できる。
フリートデータからトレーニングデータへ
Serve Data Curatorは、導入済みロボットが生み出す膨大な情報に対応する。ペタバイト規模のセンサーデータを検索・可視化できるフリートデータに変換することで、エンジニアはすべての記録を手作業で確認することなく、関連する状況を探し、障害を調査し、発生頻度の低いエッジケースを特定できる。
選び出した事例をまとめ、トレーニングや評価に特化したデータセットを作成できる。アノテーション機能と機械学習ワークフローとの連携により、有用な事例の発見からモデル開発での活用までをつなぐ。さらに、モデルの性能をもとに、次にどの事例をキュレーションし、収集し、シミュレーションするかをチームが判断できる。これにより、ロボットが現場で遭遇した状況を、その後のトレーニングに結び付けられる。
Serveによると、Data Catalogには、道路で稼働するロボットから収集した実環境データが数百万時間分含まれ、地形やインフラに関する情報も収録されている。また、実稼働環境でのデータ収集は、現地の法律と周囲にいる人々のプライバシーに配慮して行われる。歩道での稼働から得られる地形やインフラのデータは、都市の歩道のような複雑な人間の環境について基盤モデルに学習させることを目的としている。
このスイートはモジュール式で、プラグアンドプレイに対応しており、配送や建設に加え、人型ロボット、農業、林業、水中探査、自律走行トラックでの利用例が文書化されている。共通するのはインフラだ。接続性、データ転送、キュレーションを既存の基盤として提供することで、顧客は自社の機械や自律機能の開発にエンジニアリングの時間を充てられる。
Serveにとって中心となる問いは、自社の運用経験をどこまで他社に移転できるかだ。このサービスでは、顧客に対し、自社の機械が異なるタスクに取り組むなかで、歩道や病院での導入を通じて形作られたインフラやデータを活用するよう促している。その価値は、こうした共有基盤によってどれだけのエンジニアリング作業を削減できるかにかかっている。












