パートナーシップ
Mount Sinai、SectraのAI支援型放射線レポート作成を採用

Sectraは2026年11月4日、Sectra One Cloud上でAI支援型のSectra Reportingモジュールを提供する7年間の契約を締結したと発表した。対象はMount Sinai Health Systemの放射線科業務全体で、年間120万件を超える検査をカバーする。ニューヨークの同医療システムでは、2027年春の稼働開始を予定している。
Sectraは、放射線レポート作成において同社と提携する米国初の医療システムとしてMount Sinaiを紹介した。今回の契約は既存の関係を拡大するもので、Mount Sinaiはすでに、放射線画像、乳房画像、エンタープライズアーカイブ向けにSectraのエンタープライズ画像管理システムを利用している。このシステムにレポート作成機能を追加することで、ベンダーの複雑化を抑え、IT管理を簡素化することを目指す。
AI支援型レポート作成を一つのワークフローに統合
今回の導入は、放射線科医が別々の画像診断システムとレポート作成システムを行き来せずに、作業リストから署名済みレポートの作成まで進められるよう設計されている。放射線科医は自由に音声入力しながらソフトウェアにレポートを構成させ、AIが作成した所見の要約を確認できる。また、承認前に不整合を検出する品質チェックも受けられる。目標は所要時間の短縮だが、稼働開始はこれからであり、今回の発表が示すのは計画中のワークフローであって、Mount Sinaiですでに確認された成果ではない。
製品のドキュメントでは、自由形式の音声入力による所見を要約・整理し、所見の要約としてまとめるワンクリックのAIツールが紹介されている。放射線科医は、音声入力、リッチテキスト形式のテンプレート、検査ごとのフォームも利用できるほか、計測値や病変の追跡情報を記録し、画像セットへのリンクをレポートに埋め込むこともできる。レポートに署名すると、Sectra UniViewで画像や計測値とともに紹介元の医師に提示できる。また、レポート作成のワークフローでは、次の症例を自動的に読み込むことも可能だ。
Sectraによると、Sectra Reportingは世界で1万4,000人がアクティブに利用し、年間2,700万件のレポートを作成しており、21カ国で導入されている。これらの数字はMount Sinaiでの導入実績ではなく、製品全体の導入状況を示すものだ。同モジュールは、米国の大規模な医療システムで採用されるのに先立ち、すでに他の地域で利用されている。
米国での提供開始から全院規模の導入へ
Sectraは2025年11月26日、Sectra Reportingを米国市場に投入し、所見の自動生成、外部AIによる結果の取り込み、計測値・注釈・病変追跡データへのディープリンク機能を提供した。同社はサードパーティー製レポート作成製品のサポートも継続しており、顧客は同社の標準モジュールを選択しつつ、他のサポート対象システムも引き続き利用できる。
Mount Sinaiは、7つの病院、400を超える外来診療施設、600を超える研究・臨床検査室、そしてIcahn School of Medicine at Mount Sinaiを擁し、この取り組みを大規模に展開する。放射線情報技術担当副議長のDavid S. Mendelson医師は、レポート作成機能を画像プラットフォームに統合すれば、両者を連携して進化させることができ、放射線科医にAIを含む新機能を「さらに別のシステムを統合することなく」提供できると述べた。
Sectra, Inc.社長のIsaac Zaworskiは、今回の採用は診断ワークフローを統合する広範な動きの一環だと説明した。期待されるメリットとして、放射線科医が使用するアプリケーションの削減と、患者が結果を受け取るまでの時間短縮を挙げた。
Mount Sinaiにとって、実際の成果を測る試金石となるのは、日常業務でこの統合が機能するかどうかだ。つまり、放射線科医が一つのワークフローで検査から確認・署名済みレポートの作成まで進められるか、そしてIT部門が、すでに運用している画像プラットフォーム内でレポート作成機能を管理できるかが問われる。今回の契約では、エンタープライズシステムとの統合が導入の中心に据えられている。レポート作成にAIを組み込み、所要時間を短縮できるかどうかは、導入後に実証される必要がある。












