買収
Ellipsis Health、AIによるケア業務の連携に向けKouper Healthを買収

Ellipsis Healthは2026年11月5日に発表し、Kouper Healthを買収した。これにより、Sage AI Care Managerに標準搭載の電子カルテ(EHR)連携機能と、患者の経過を長期にわたって把握するマップが加わる。両社は、個々の受診時だけに支援を限定せず、ケアの移行を通じて患者を継続的に支援することを目指している。
患者への働きかけを予約につなげる
Kouperは、医療システムや医療提供者グループの業務向けにAIエージェントを開発している。同社の患者経過マップは、異なるケア環境で生成された情報を集約する。また、EHR連携機能によってSageに十分な情報を提供し、患者に適切な医療提供者を紹介するとともに、記録システム上で直接予約を取れるようにすることを目指している。
Sageは、ケアマネジメントへの登録、臨床評価、服薬遵守、退院後のフォローアップを目的に、電話やテキストメッセージで患者に連絡する。医療保険プラン向けのサービスは、最初の会員への連絡から、かかりつけ医または専門医の受診確定まで、一連のプロセス全体をカバーするよう設計されている。患者との関わりを、その引き継ぎを完了するために必要な事務業務と結び付ける。
Ellipsisの創業者兼CEOであるMainul Mondalは、臨床医の業務負担を増やすのではなく、基盤を追加することで、ケアチームがより多くの患者に対応できるようにすることが今回の買収の狙いだと述べた。Kouperの共同創業者兼CEOであるSalman Aliは、統合後の事業は長期にわたるケアの調整を目指し、単一の受診や退院後にとどまらない支援を提供すると述べた。
Sageの技術と報告されている成果
Ellipsisによると、特許取得済みのEmpathy Engineは、ラベル付けされた臨床会話300万件超を使ってトレーニングされた。このシステムは音声の特徴をリアルタイムで分析し、感情の兆候を評価して、患者とのやり取りを調整する。
Ellipsisによると、導入事例全体では、ケアマネジメントプログラムへの登録が6倍速くなり、事務作業が60%削減された。また、タスク完了率は人間のエージェントを最大66%上回り、投資収益率は最大7倍に達したという。
Ellipsisは、顧客に米国の医療保険プラン上位20社のうち7社が含まれるほか、大学病院や統合型医療提供ネットワークも顧客だとしている。
Kouperの導入実績
Kouperは2022年に創業し、2025年5月8日にステルス状態を脱して、General Catalyst、25Madison、CVS Health Venturesから1,000万ドルの資金を調達したと発表した。サービス開始時には、医療システムとの直接連携を通じて、救急、入院、緊急医療の各環境からリアルタイムデータを取得していた。これにより、病院での受診後も患者の経過を追える病歴を作成できた。
医療システムの顧客は、それぞれ異なる導入段階にあった。LifePointは複数の病院にKouperとの提携を拡大していた。Henry Ford HealthのMosaic Clinically Integrated Networkは、Care Hubチームを支援するためKouperと連携していた。また、Ascension Saint Thomasは、ナッシュビルのミッドタウン施設でプラットフォームの試験導入を進めていた。
当時Kouperは、導入にかかる期間は最短4週間であり、医療システムの提携先では患者のエンゲージメントが50%超向上し、退院後および救急外来のフォローアップ予約が60%超改善したと報告していた。
Ellipsisは、Kouperの出資者の1社と、以前から資金調達上の関係も築いていた。2025年6月12日の発表では、Sageを正式に発表するとともに、Salesforce、Khosla Ventures、CVS Health Venturesが主導する4,500万ドルのシリーズA資金調達を公表した。したがって、買収前からCVS Health Venturesは両社の投資家として名を連ねていた。
KouperのチームはEllipsisに加わる。両社は、既存顧客へのサービスをそれぞれのブランドで継続しながら、統合した製品ロードマップの策定を進める予定だ。Ellipsisは、今後数カ月のうちに医療システム向けの新たなサービスを提供する見込みだとしている。
当面の課題は、顧客との継続的な関係を保ちながら、Sageの患者エンゲージメント機能とKouperのケアに関する情報、さらに計画中のEHR予約機能を組み合わせることだ。今回の買収により、フォローアッププロセスの二つの側面が結び付く。両ブランドが顧客へのサービスを続けるなかで、それらを信頼性の高い単一のワークフローとして統合できるかが、実行面での最大の課題となる。












