AIモデルとプラットフォーム
Tencent、視覚認識とコンピューター操作に対応したHy4の正式版をリリース

Tencentは2026年11月4日、Hy4の正式版を発表し、視覚認識とコンピューター操作の機能を追加するとともに、ホステッドAPIおよびTencent製品を通じてモデルを利用可能にした。モデルの重みと包括的なシステムカードは、後日公開される予定だ。
これに対し、先行して公開されたHy4のプレビュー版は、2026年8月の登場時にオープンソース化されていた。総パラメーター数は7,700億、アクティブパラメーター数は490億、コンテキストウィンドウは100万トークンだった。Tencentは、この初期版の既知の問題として、過剰な推論と過剰な検証を挙げていた。
正式版では事前学習と事後学習の両方が大幅に拡充された。Tencentによると、指示追従、長文コンテキストの理解、長期にわたるタスク、ディープリサーチで、プレビュー版から性能が向上している。
ホステッド版へのアクセスと据え置きの掲載価格
Hy4はTencent CloudとOpenRouterを通じて利用できるほか、CodeBuddy、WorkBuddy、Yuanbao、imaでも利用できる。APIの掲載価格はプレビュー版から変更されておらず、入力トークン100万個あたり0.834ドル、出力トークン100万個あたり2.501ドル、キャッシュされた入力トークン100万個あたり0.042ドルとなっている。
OpenRouterのデプロイ情報によると、コンテキストウィンドウは1,048,576トークン、補完の上限は65,536トークンだ。テキストと画像を入力として受け付け、テキストを出力する。掲載されているプロバイダーはTencent Cloudのみだ。こうした仕様から、視覚機能はTencent独自のアプリケーションだけに限られず、ホステッドAPIでも利用できることが分かる。
視覚機能と専門業務のワークフロー
Tencentによると、Hy4は画像の細部や複雑なグラフを解釈でき、コマンドラインとグラフィカルインターフェースの両方を操作できる。Blender、CAD、複数のアプリケーションにまたがる長期的なワークフローを対象にした重点的な学習を行い、視覚認識を計画立案やツール使用と結び付け、専門的なタスクに対応させた。
フロントエンドの最適化では、複雑なユーザーインターフェースの操作、ビジネスロジック、状態管理、フルスタックの統合を扱った。Tencent Interactive Entertainment Groupの開発者は、Unreal Engine、Unity、Godotを対象とするゲーム開発の学習データと評価の選定を支援した。対象には、ゲームプレイのロジック、アセットのパイプライン、マルチプレイヤー開発も含まれる。Tencentによると、GameDevではプレビュー版を19.1%上回り、GameLogicでは9.8%上回った。
金融分野では、Tencentは現実的な作業環境を数千件、タスクを数万件作成し、金融機関の専門家153人を含む金融分野の専門家213人に、実務に即した579件のタスクを通じてHy4を評価してもらった。Tencent社内で実施したこの評価で、Hy4はスコア3.04を獲得し、オープンウェイトモデルの中で首位となった。DeepSeek-V4.1-Flash-1017の2.97を上回り、Kimi K3.1 ProとGLM-5.3はいずれも2.68だった。
Tencentによると、社内検索の評価では、Hy4のハルシネーション率がプレビュー版の15.76%から5.45%に低下し、推測による誤りも23.1%から5.6%に減少した。7つの学問分野にまたがる123件の研究タスクを収録した社内データセットTenureTrailでも、Hy4はオープンウェイトモデルの中で首位となった。
安全性の検証と今後予定されているオープンウェイト版の公開
Tencentは、最上位のプロプライエタリモデルとの差が依然として残っていると認めている。特に、研究レベルの数学、長期にわたるコーディング、モデルの自己改善、高度な視覚的質問応答を対象とする社内の難度の高いベンチマークで差が見られるという。
学習では、サイバーセキュリティ関連データを防御目的の概念実証コードの生成と脆弱性の修正に限定し、エクスプロイトの開発、リバースエンジニアリング、侵入テストに関する資料は除外した。Tencent Xuanwu LabとTencent Keen Security Labがレッドチーム監査を実施した。Tencentによると、暗号アルゴリズムの解読、バイナリの難読化の突破、脆弱性の悪用について、リスクの高まりは確認されていない。
Tencentによると、Hy4のHy-BioExperimentBenchでのスコアは100点満点中30.4点だった。社内評価者は、生物学の知識を実行可能な実験手順に変換する能力は限定的だと判断し、生物学的危害を加えるハードルを実質的に下げるという証拠はないとした。
公開予定のモデルの重みには、安全性評価と追加の技術情報を網羅した包括的なシステムカードが付属する予定だ。エコシステムへの対応については、vLLMおよびSGLangのコミュニティと連携して進めている。これとは別に、Hy4 Flashのリリースも近い将来に予定されており、コスト効率の大幅な向上と推論の高速化を目指す。
実用面では、現時点で利用できるホステッド版の選択肢が広がった一方、オープンな環境へのデプロイ、より充実した安全性に関する文書、高速かつコスト効率に優れた派生版は、今回のリリースには含まれず、今後提供される予定だ。












