パートナーシップ
Changshin、開発と工場のフィードバック連携にPalantir AIを導入

ChangshinとPalantir Technologiesは2026年11月4日、靴メーカーの開発・生産業務全体にPalantir Foundryと人工知能プラットフォーム(AIP)を適用するため、提携を発表した。計画中のシステムでは、靴の開発やサンプル計画から工場での生産まで、情報とワークフローをつなぐ。
この導入は、チームが判断を調整し、問題に早期に対応するとともに、工場での生産結果から学べるよう、エンドツーエンドの可視性を実現することを目的としている。開発とサンプル計画を工場生産と同じ連携プロセスに組み込み、各段階の間で情報とフィードバックをやり取りできるようにする。
AgentCampから工場のワークフローへ
今回の提携は、ChangshinのエンジニアとPalantirがChangshinの実データを使って初期ワークフローを実演したAgentCampを基盤としている。このセッションで得られた成果が、開発上の判断を工場の計画や実行と結び付ける次の段階への出発点となった。計画されている拡張では、社内データを使ったワークフローの実演から、靴のモデルの開発と製造を担うチーム同士の連携へと進む。
Changshinの最高経営責任者(CEO)、CI Nam氏は、両者の関係について「開発段階で下された判断が、工場の現場での業務の進め方を決めます」と説明した。Nam氏によると、こうした判断を生産現場からのフィードバックと結び付けることで、チームが問題を早期に見つけ、より効果的に連携し、得られた教訓を次のモデルに生かせるようにすることを目指す。また、この提携は、Changshinの製造ノウハウを生かした独自の能力を築くため、データとAIを業務に組み込む取り組みだとも述べた。
FoundryとAIPがソフトウェアの各層を担う
Foundryは、データと業務運用の基盤を担う。Palantirによると、同社のOntologyは、データ、分析、業務運用の各チームが、業務上の対象、アクション、プロセスを共通の形で表現できるようにする。これにより、状況の変化に応じて、判断のロジックを共有し、連携して作業できる。さらに、後の学習に役立てるために判断の記録を保持できるほか、基盤となる資産を複製したり、既存の信頼できる情報源に影響を与えたりすることなく、企業データやモデルを取り込める。
Changshinにとって、この設計の意義は、開発と生産の間の引き継ぎにある。業務上の対象と判断のロジックを共有すれば、業務の状況を工場の計画や実行に引き継げる。また、判断の記録は、Nam氏が述べた学習のサイクルを支えることができる。
AIPは、AIアプリケーションとエージェントの層を担う。Palantirの製品ドキュメントには、AIアプリ、アクション、エージェントを構築するワークフロービルダー、本番ワークフローの準備と改善に使う評価ツール、自動化ルールと実行履歴を確認できる制御機能が記載されている。人間のオペレーターがAIの提案したアクションを承認することもできる。Palantirの最高収益責任者(CRO)兼最高法務責任者(CLO)であるRyan Taylor氏は、ChangshinがAIの適用方法を管理し続けられるようにしながら、両社がFoundryとAIPをエンドツーエンドのプロセス全体に導入していると述べた。
Changshinの製造規模
Changshinは、このソフトウェア基盤を支える大規模な製造体制を有する。1981年に創業し、韓国・釜山に本社を置く同社は、1994年にベトナムで初の海外子会社を設立し、その後、中国とインドネシアにも事業を拡大した。従業員数は約80,000人で、2025年4月には靴の累計生産数が10億足に達したと発表した。
Changshinの公式ウェブサイトによると、同社は4か国に9か所の製造工場を展開し、デジタル技術、データ、AIを組み合わせた製造手法を掲げている。Palantirとのプロジェクトは、この方針を開発と生産の間のワークフローに適用するもので、サンプルに関する判断、工場での実行、後続モデルに向けたフィードバックを対象とする。
業務面での成否を測るのは、連携したワークフローによって、工場の問題を早期に把握し、調整の改善や次の靴のモデルへの有用な教訓の反映につなげられるかどうかだ。このフィードバックのサイクルこそが、提携が目指す可視性を実際に評価する基準となる。つまり、生産現場で得た経験を後続のモデルに反映させるとともに、問題の早期発見を開発チームと工場チームの連携した対応につなげなければならない。












