パートナーシップ
Harvey AI、CBDの弁護士による調査・起案・レビューを支援

Harveyは2026年11月6日、ドバイ商業銀行(CBD)が、機関投資家向け資本市場、投資、規制、商取引に関する案件を扱う同行の法務チーム向けに、同社の法務AIプラットフォームを導入すると発表した。
この導入により、Microsoft Wordを含む弁護士の既存の業務フローに組み込んで、大量の文書を対象とする法務調査、起案、レビュー、分析を支援する。また、CBDの先例、ポリシー、過去の成果物をチーム全体で検索し、再利用できるようにする。Harveyは、こうした組織内の知識の再利用により、弁護士がより迅速かつ一貫性のある助言を提供できるようになると見込んでいる。
弁護士が設計するエージェントとレビュー機能
CBDの弁護士は、繰り返し発生する法務業務のために独自のAIエージェントを設計でき、Harveyのリーガルエンジニアがその作業を支援する。エージェント構築機能は、組織の専門知識を取り込み、組織のナレッジ、業務手順書、設定を活用できるように設計されている。また、コネクターを通じて、Microsoft製品、文書管理システム、その他すでに利用中のツールにアクセスできる。
ユーザーはエージェントの実行計画を事前に確認し、対象範囲を調整したうえで、実行前に作業を承認できる。Harveyによると、同社のエージェントは各主張に出典を付し、ユーザーが正確性を検証できるよう、すべての手順を記録する。こうした機能により、自動化された作業に承認と検証の段階が設けられ、対象範囲や成果物に関する判断に弁護士が関与し続けられる。
CBDが示した対象業務に関連するHarveyの一般的な製品活用例には、社内ポリシーと信頼できる情報源をまとめ、出典を明記した実行用メモを作成する規制関連の概要資料や、新たな取引のタームシート要件を反映するために先例の文言を更新する契約書の起案がある。また、Harveyの社内向け文書では、優先する業務手順書、書式、テンプレートに照らして契約書をレビューし、変更履歴を残して起案の提案を反映する方法や、Vaultで大規模な文書を分析する方法も別途説明されている。
リスク評価と銀行業務のガバナンス
CBDは、企業向けセキュリティとデータ保護を基本要件として、第三者リスク評価を通じてこの導入を評価し、採用手続きを進めた。プラットフォームの企業向け管理機能には、SAMLシングルサインオン、監査ログ、IPアドレスの許可リスト設定、データライフサイクル管理が含まれる。これらの対策により、誰がシステムにアクセスできるか、どのような操作を確認できるか、データをどのように取り扱うかを管理できる。
CBDの最高リスク責任者であるミッケル・アナセン氏は、AIの責任ある導入は「より機敏で強靱な銀行を築くうえで重要な要素」だと述べた。この協業は、法務・コンプライアンス機能を強化し、規制の複雑化への対応を支援するとともに、各チームが専門性を戦略的な優先事項に注げるようにすることを目的としている。また、ガバナンスを取り組みの中核に据えながら、意思決定の改善と長期的な成長の支援も目指している。
同行の公式プロフィールによると、CBDはUAEの認可を受けた金融機関で、個人向け・法人向け銀行サービスを提供し、大企業を顧客とするほか、従来型およびシャリーア準拠の商品を取り扱っている。同行が掲げるガバナンス上の取り組みには、UAE中央銀行と証券・商品庁が定める規制および基準の遵守が含まれる。この背景を踏まえると、導入においてサプライヤーの評価、データ保護、弁護士による監督を重視することには、業務上の明確な意義がある。
この導入により、ガバナンスは調達時の確認項目にとどまらず、日々の法務業務の一部となる。CBDにとっての実務上の価値は、蓄積された同行の知識を弁護士がより多く再利用しながら、法的判断に反映する前に情報源を確認し、エージェントの計画を調整し、作業を承認できるかどうかにかかっている。












