資金調達
BUZZ HPC、Cohere向けGPUクラスターの1億2,900万ドルの固定金利融資枠を獲得

HIVE Digital Technologiesは、2026年10月27日付のニュースリリースで、間接子会社のBUZZ Alpha Cloud Inc.が、Cohereとの主権AI契約向けにNVIDIA GB200 NVL72 GPUクラスターを整備する資金として、機関投資家の貸し手との間で約1億2,900万ドルの固定金利融資枠に関する融資・担保契約を締結したと発表した。
融資条件と担保の仕組み
融資枠の金利は年率9.0%で、期間は3年間。元本と利息は融資期間を通じて返済する。リリースに記載された金額はすべて米ドル建てだ。この債務は、BUZZ Alpha Cloudが保有するGPUおよび関連資産を担保とし、HIVEの完全子会社でBUZZ HPCとして知られるBUZZ High Performance Computing Inc.による限定遡及保証に加え、BUZZ HPCが保有するBUZZ Alpha Cloudの株式への担保設定によって裏付けられている。BUZZ HPCは、それ以外の形では本融資枠に基づく債務を負わない。
契約には、債務返済余力比率の維持義務を含む、一般的な条項、条件および誓約事項が盛り込まれている。期間満了時には、HIVEが残価の支払いなしにGPUを完全所有する。今回の資金調達は負債として組成されているため、これに関連して同社の普通株式が発行されることはない。債務はプロジェクト単位で計上され、資金使途となるインフラを担保としている。同社によると、BUZZ Alpha Cloudは、固定された返済スケジュールに沿って契約収入から融資枠を返済する予定だ。
資金使途と契約の収益構造
調達資金は、2026年6月18日に発表されたCohereとの3年間の固定期間付き主権型AI顧客契約に基づく導入に向け、NVIDIA GB200 NVL72システムを含む主権型AI GPUクラスターおよび関連インフラの購入に充てられる。社長兼CEOのAydin Kilicによると、この融資は、Cohereとの3年間の固定契約で総契約額が2億2,500万ドルとなる、NVIDIA GB200 GPU 2,303基から成る1億6,500万ドルのクラスターの購入に充てられる。同氏は、この契約について、融資額が総コストのおよそ80%に当たると説明した。リリースの脚注によると、Cohereとの契約について以前公表された総契約額2億2,000万ドルにはGPU計算処理の収益のみが含まれており、2億2,500万ドルという金額には接続およびストレージに由来する収益が加算されている。
Kilicによると、クラスターの残額と関連するハードウェアおよびソフトウェアの費用に対する同社の出資分には、2026年初めに発行した金利0%の転換社債の調達資金が充てられている。同社は、金利0%の転換社債を発行し、総額2億4,500万ドルのグロス調達額を得たと説明した。キャップド・コール後のネット調達額は約2億ドルとなる。Kilicはさらに、HIVEが2026年に3件のGPU引き取り契約を通じて、GPUクラウド案件の総契約額6億ドルを確保したと述べた。
同社は、GB200 GPU 2,303基の価格1億6,500万ドルは現在の市場で魅力的だと考えていると述べ、NVIDIA製ハードウェアの価格が直近6か月間で大幅に上昇したことを指摘した。また、多くの同業他社が変動金利で借り入れていると同社が説明する市場環境において、固定金利の債務を確保することで、導入後3年間にわたり、契約に基づく予測可能なキャッシュフローを得られる態勢が整うとした。
6月のCohereとの契約
今回の融資対象となる導入計画は、2026年6月18日に発表された。その際、BUZZ HPCは、Bell AI Fabricを通じてCohere Inc.向けに、当時の総契約額が約2億2,000万ドルと評価された3年間のGPUクラウド契約を締結したと発表した。この契約では、Bellのデータセンターおよび接続プラットフォーム、CohereのエンタープライズAIおよび大規模言語モデル、BUZZ HPCのGPUクラウドを組み合わせる。契約に基づき、HIVEは、NVIDIA Quantum InfiniBandネットワークで相互接続され、液冷方式を採用したGB200 NVL72ラックスケールシステムに、NVIDIA Grace Blackwell GPU 2,304基を搭載したNVIDIAインフラを調達した。
このクラスターは、ブリティッシュコロンビア州メリットにあるBell専用設計の施設に導入されている。Cohereは、カナダ全土の政府および企業の顧客向けに、同施設で基盤モデルとエンタープライズAIソリューションを運用する予定だ。カナダの高性能コンピューティング機器メーカーであるHypertecが、ハードウェアの調達、システム統合、設置、試運転およびOEMサポートを担当している。6月の発表によると、HIVEは4月に完了した1億1,500万ドルの転換社債による資金調達の調達資金の一部を、ラックスケールシステムの購入に充てていた。当時Kilicは、導入は2026年後半から2027年初めに稼働を開始する見込みであり、当時実現していたARR(年間経常収益)3,500万ドルに、契約済みの年間経常収益約7,000万ドルが加わると述べた。
主権性の位置づけと会社概要
リリースでは、今回資金が投じられるインフラによってコンピューティング処理をカナダ国内にとどめられると説明している。また、カナダ連邦政府のAI戦略は、カナダの技術主権への投資を進め、カナダのデータをカナダの管理下で安全に保つ方向性を示していると述べている。BUZZ HPCは、こうした処理能力によって、カナダの企業、研究者および公的機関が国内で高度なAIを構築し、運用できるようになると考えている。
会長のFrank Holmesは、AI時代の主権性はコンピューティング処理がどこで行われ、誰がそれを管理するかに左右されると同社は考えていると述べた。また、今回の資金調達により、BUZZ HPCは資本構成の規律を保ちながら、カナダでより多くのインフラを稼働させられると語った。
HIVEは2017年以来、再生可能エネルギーとデジタルインフラの構築を進めており、カナダ、スウェーデン、パラグアイにデータセンターを展開している。BUZZ HPCは、カナダの「Responsible Data Centre Development Principles」の当初の署名者として、主権型AIインフラを設計・運用している。発表によると、GB200 GPUの納入は2026年第4四半期末ごろに見込まれている。












