AIモデルとプラットフォーム
BMO、クレジットカードサポート向けにエージェント型AIによる案件準備機能を導入

BMOは、カナダの顧客からのクレジットカード取引に関する問い合わせに対応する従業員向けに、コンタクトセンター「Virtual Connect」で「AI Agent Assist」を導入すると、2026年11月6日に発表した。対象となる問い合わせの解決時間を20~30%短縮し、対象となるクレジット返金請求の約40%を自動処理することを目指す。
Virtual Connectには、こうした電話が年間50万件以上寄せられており、現在、1件あたりの解決には平均12~14分かかっている。この基準を踏まえ、今回の導入では、従業員が対応する電話の準備作業に重点を置く。このアシスタントは社内利用を想定して設計されており、関連する取引情報やガイダンスをチームメンバーに直接提示することで、システムを操作する時間を削減する。
いずれの目標も対象となるやり取りに限られ、コンタクトセンターでの実績ではなく、達成を目指す目標である。条件を満たす問い合わせについて、BMOは顧客が最短で当日中に返金を受けられる可能性があるとしている。したがって、返金処理の迅速化は条件付きで実現し得る顧客への効果であり、すべてのケースに適用される処理時間の保証ではない。
AI Agent Assistが従業員をどのように支援するか
AI Agent Assistは、AIを活用した取引照合、ポリシーの検索、従業員による確認に向けた案件準備を組み合わせている。BMOは、この統合されたワークフローによって、システム間の検索や手作業、従業員がシステムを操作する間に顧客を保留にする必要を減らすことを目指している。また、必要な場面で情報やガイダンスを提供することで、従業員がより迅速に対応し、一貫したサービスを提供できるようにすることも意図している。
この設計は、人間が関与する仕組みを基本としている。顧客サービス担当者は、AIが生成した情報を確認し、適切なサービス対応を判断する責任を引き続き負う。テクノロジーが情報収集と準備を担う一方、顧客に影響する判断の責任は人が負う。
再利用可能な機能と全社的なAIの目標
BMOは、AI Agent Assistの基盤となる機能を、ほかの顧客体験や業務プロセスでも再利用できるよう設計している。そのため、コンタクトセンターは、同行が後に展開するエージェント型AIのアプリケーションにも活用する予定の構成要素を試す、大量の利用が見込まれる場となる。こうして取り組みを単一のサービスプロセスにとどめず、広げていく。
BMOの全社AI変革責任者であり、カナダの個人・法人向け銀行部門の最高デジタル責任者を務めるGreg Brownは、この取り組みについて、個別のユースケースから大規模なAI活用へと移行するものであり、明確なガードレールを設け、あらゆる判断に人が責任を負うと説明した。
Brownはまた、AIエージェントが金融サービスで担う役割を拡大するなか、このアプローチは保護策と監督にも結び付いていると述べた。BMOが独自の能力を構築し、より幅広いAI体験を実現するための条件を整えるうえで、セキュリティ、プライバシー、人による監督が中核となる。
この取り組みは、AIを活用した収益成長、生産性向上、業務効率化を通じて、2030年までに10億ドルを超える価値を生み出すというBMOの全社的な目標を支える。この金額は同行のより広範なAI活用の目標を示すものであり、AI Agent Assistだけに割り当てられた価値ではない。
当面の評価ポイントは、AIを活用した案件準備によって、対象となる電話の対応時間を短縮し、対象となる返金請求の一部を自動化しながら、従業員がサービス対応の判断責任を保持できるかどうかだ。基盤となる機能は再利用を想定して設計されているため、今回の導入は、サービス水準に関するBMOの目標を、より広範な業務上の課題へと結び付ける。すなわち、このテクノロジーをほかのプロセスに適用した場合にも、業務上の効果、監督、人による説明責任を両立できるかという課題である。












