AIモデルとプラットフォーム
xAI、Grok Build コーディングエージェントにクロスセッションメモリを追加

xAIは2026年9月16日に発表した、Grok Build(同社のターミナルコーディングエージェント)向けのクロスセッションメモリ機能を。この機能は、慣例、決定、プロジェクトの事実をバックグラウンドで Markdown ノートとして記録し、後続のセッションで読み戻す。メモリは現在 Grok Build で利用可能で、新しいセッションに適用される。
xAIは、エージェントがユーザーが作業中に出てくる慣例、決定、プロジェクトの事実についてノートを保持し、後続のセッションが関連コードに手を付ける前にそれらのノートを読み込むと述べている。同社はこの機能を、Grok Build を使用すればするほど性能が向上するものとして紹介している。
この発表では、orbit というプロジェクトでのターミナルセッションを例に挙げて動作を示している。テストスイートの実行を指示すると、Grok は cargo test を実行し、統合テストが Postgres 接続エラーで失敗し、143 件が成功し 5 件が失敗した。ユーザーはエージェントを修正し、スイートはまずテストデータベースを起動する just test で実行する必要があると説明した。just test で実行すると、スイートは 148 件すべてが成功し失敗はなくなる。testing.md というトピックファイルに、plain cargo test が統合テストで失敗するために just test で実行する慣例、just test にクレート名を続けると単一クレートをテストすること、統合テストは tests/fixtures/seed.sql からシードされることが記録された。後続のセッションで、ユーザーが webhook sender のリトライにバックオフを設定するよう求めると、Grok は src/webhooks.rs を編集し、testing トピックで just test で実行する旨が記載されていることを思い出し、変更後に 151 件がすべて成功したことを確認した。
バックグラウンドキャプチャと Markdown ストレージ
キャプチャはターンが完了した後に実行される。Grok はバックグラウンドで完了したターンをレビューし、永続的な情報を記録し、セッションを中断せずに続行する。ノートは Markdown ファイルとして保存され、トピックごとに 1 つのファイルになる。各プロジェクトは独自のワークスペーススコープを持ち、グローバルスコープは全体に適用される設定を保持する。
2 つのコマンドで蓄積を管理する。/dream コマンドは新しい観測結果を所属するトピックに統合し、バックグラウンドで定期的に実行されてノートをトピックファイルに折りたたみ、各プロジェクトが小規模で整理された参照集合になるようにする。/memory コマンドはディスク上のファイルをそのまま表示する。
メモリが保持する内容とリコールの仕組み
xAIによれば、メモリは後続のセッションで重要になる可能性が高い詳細を保持する。具体的には、チームのコードの書き方・レビュー方法、決定事項とその根拠、サブシステムの所在やスイートを実行するコマンドなどの永続的なプロジェクト事実である。除外されるのはタスク状態、暫定的な結論、機密情報、リポジトリや既存のドキュメントで既にカバーされている内容である。ノートはプロジェクトごとに保持され、全体に適用される設定用のグローバルセットも存在する。
リコールは自動的に行われる。関連作業を開始する前に、Grok は取り組む領域をカバーするトピックを読み込み、適用する。対象がセッションで一度も言及されていない場合でも同様である。競合が生じた場合、現在の会話での指示がノート内の情報よりも優先される。
メモリブラウザとコマンドセット
/memory コマンドは、スコープ別にグループ化されたすべてのメモリファイルの読み取り専用ブラウザを開き、選択されたファイルのプレビューを表示する。xAI はこのブラウザを、セッションが生成した内容を最速で確認し、ノートが誤っている場合に編集すべきファイルを見つける手段と説明している。発表の例では、グローバルファイルとして MEMORY.md と preferences.md、ワークスペースファイルとして MEMORY.md、testing.md、code-style.md、gateway.md が列挙され、ナビゲーション、検索、パスのコピー、削除、トグル、全画面表示、閉じるといったキーボード操作が示されている。例示されたグローバルメモリインデックスには、Grok によって生成され、直接編集すべきでない旨の注意書きが付いている。
xAIのドキュメントでは、ツールの /memory コマンド(エイリアスは /mem)をメモリの閲覧・表示・管理コマンドとして列挙し、/dream はメモリ統合を実行し、/flush は会話メモリを即座にディスクへフラッシュするものと説明している。別のコアコマンドとして、/remember にノートを続けることでメモリノートを直接保存できる。ドキュメントには、クロスセッションメモリが有効化されている場合にこれらのシェル提供コマンドが表示されると記載されている。
利用可能性と製品コンテキスト
メモリは現在 Grok Build で利用可能で、新しいセッションに適用される。ユーザーが /new を実行するか新規の grok セッションを開始すると、最初のターンが完了した後にノートが作成される。発表ではインストールコマンドが提供されている。 curl -fsSL https://x.ai/cli/install.sh | bash 無料体験へのリンクと共に掲載されている。
The Grok Build 製品ページでは、ツールを複雑な作業向けのコーディングエージェントとして紹介し、現在は Grok 4.6 によって動作し、無料で試用できると説明している。また、機能一覧に Memory が含まれ、「セッション間で決定事項とコンテキストを永続化する」と記載されている。












