資金調達
Otter.ai、General CatalystのCVFから3億2,000万ドルの成長資金を調達

AI議事録作成ツールおよび会話型ナレッジプラットフォームを提供するOtter.aiは、2026年10月20日、General CatalystのCustomer Value Fund(CVF)から3億2,000万ドルの成長資金を調達したと発表した。同社によると、この新たな資金により、企業向け事業の成長、販売戦略、海外展開、製品イノベーションの次の段階を加速させる。
Otterは、あらゆる会話を記録・連携して行動につなげる、企業にとって決定的なナレッジ基盤となること、そして、すべての企業における音声の記録システムとなることを目指すとし、今回の資金調達をその実現に向けたものと位置づけた。同社によると、このプラットフォームを使えば、チームはより豊富な背景情報を得て準備し、より迅速に意思決定し、会議終了後も議論の内容に基づいて行動できる。
「General Catalystからの今回の資金調達は、Otterで私たちが築いているものへの力強い信頼の表れです。この資金が後押しする成長の次の段階を楽しみにしています」と、Otter.aiの共同創業者兼CEOであるSam Liangは述べた。「これを新たな飛躍の原動力として、あらゆる場所のチームに、より高度で知的なAIをもたらすエンタープライズ向けエージェント型ワークフローを構築し、音声が企業の生産性を支える基盤となる未来を目指します」
Otterによると、世界のユーザー数は4,000万人を超え、Fortune 500企業の86%超に属するチームも利用している。同社は、これまでに10億件を超える会議を文字起こしし、時間の節約を通じて顧客に15億ドル超の投資収益をもたらしたとしている。その実現を支えているのが、業界をリードすると同社が説明する、自社開発の自動音声認識技術と話者識別技術だ。また、このプラットフォームは会議の文脈を組織のナレッジへと変換し、営業、コンサルティング、教育、金融サービス、専門サービス、メディアの各分野の顧客に提供しているという。
「音声は、エンタープライズAIにおける最大級の未開拓の機会の一つであり、Otterはその最前線にいます」と、General CatalystのパートナーでCVFの共同創業者でもあるPranav Singhviは述べ、Otterの成長を見守るなかで同社への確信が深まったと付け加えた。Singhviは、記録した音声データを実行につながるビジネスインサイトに変えるOtterの能力が、同社をファンドにとって有力なパートナーにしていると語った。
Customer Value Fundの仕組み
General Catalystは、Singhviと同社のKV Mohanによる論考「『成長』株式のアンバンドリング」で、Customer Value戦略の仕組みを説明している。このモデルでは、同社が企業の営業・マーケティング予算を事前に拠出する。その対価としてGeneral Catalystが受け取るのは、その支出によって生み出された顧客価値のみで、受取額には上限が設けられる。上限に達した後に生じる顧客の残存生涯価値は、企業のものとなる。
営業・マーケティングへの支出が期待どおりの成果を上げなかった場合、General Catalystは損失を負うとしている。同社が報酬を受け取るのは、資金提供先の企業が報酬を受け取った場合に限られ、企業が自己資金を出して返済する必要はない。同社は、固定スケジュールで返済または借り換えが必要な負債とは異なり、営業・マーケティング支出の回収時期は一定しないため、この仕組みが適していると主張する。また、顧客獲得の資金を調達する際、持ち分の希薄化を伴う成長株式に代わる選択肢としてファンドを紹介している。General Catalystは資金調達ページで、プロダクト・マーケット・フィットを達成した後、新規顧客を獲得する企業に向けて、株式や負債だけに頼らない資金調達手段としてこのファンドを提案している。
公表された事業規模と2025年の主な実績
Otterは、2025年12月22日の発表で、2025年3月に従業員200人未満の体制で年間経常収益が1億ドルを超え、従業員1人当たりの収益が50万ドルを上回ったと明らかにした。当時、同社はユーザー数が3,500万人を超え、顧客に10億ドル超の投資収益をもたらしたと報告していた。
Otterは2025年3月、音声AI会議エージェントの製品群を発表した。同社の説明によると、Meeting Agentは会議に参加してリアルタイムで質問に答え、タスクを完了する。Sales Agentは顧客との通話中に営業担当者をコーチングし、SDR Agentは見込み顧客に対して自律的にライブ製品デモを行う。2025年10月には、Jira、HubSpot、Salesforceなどのプラットフォームと連携するカスタム統合向けの公開API、OtterのデータをClaudeなどの外部AIモデルにつなぐModel Context Protocol(MCP)サーバー、高度な管理者向け制御機能、ボットを使わずに録音できるデスクトップアプリを備えたエンタープライズ向け製品群を発表した。同社は、既存のSOC 2 Type II認証に加え、2025年7月にHIPAA準拠を達成した。また同年、対応言語にフランス語、スペイン語、日本語を追加した。
過去の資金調達
Otterが過去に機関投資家から受けた出資には、2021年2月25日に発表された5,000万ドルのシリーズB資金調達が含まれる。このラウンドはSpectrum Equityが主導し、Horizons Ventures、Draper Associates、GGV Capital、Draper Dragon Fundが参加した。調達には1,000万ドルの転換社債も含まれ、Spectrum EquityのマネージングディレクターであるJohn ConnollyがOtter.aiの取締役に就任した。Otter.aiの本社はカリフォルニア州マウンテンビューにあり、Liangが共同創業者兼CEO、Yun Fuが共同創業者兼CTOを務める。












