買収
CrowdStrike、AIセキュリティ強化に向けFiddlerとDreadnodeの買収を計画

CrowdStrikeは発表した。2026年11月3日、AIエージェントの挙動を評価・説明する技術を持つFiddlerを買収する意向を明らかにした。同社の技術はFalcon Observeとなる予定だ。別の発表では、Dreadnodeを買収し、システムが本番環境に移行する前にFalconプラットフォームへ自動化されたAIセキュリティテストを追加する計画が示された。
両発表はFal.Con EU 2026で行われ、いずれも買収計画について説明したものだ。CrowdStrikeは、Falcon ObserveとDreadnodeの一般提供を2027会計年度第4四半期に開始することを目指している。計画中の製品は、リリース前にAIの弱点を探ること、エージェントが意図されたタスクを実行しているか評価すること、導入後にエージェントの判断を監視することという、それぞれ異なる制御を担う。
Falcon ObserveにおけるFiddlerの役割
導入前には、エージェントが割り当てられたタスクを安全かつ正確に実行できるか評価する際に、Fiddlerを使ってプロンプト、モデル、設定を比較できる。導入後は、エージェント階層全体にわたって判断や推論の経路を追跡し、挙動の逸脱や意図しない動作を特定できるよう設計されている。判断に至るプロセスを再構成することで、失敗の原因となった段階をチームが突き止められる。
この可視性によって、従来のセキュリティ制御にある隙間を埋められる。CrowdStrikeが挙げた返金の例では、エージェントが有効な認証情報と承認済みのツールを使い、会社の方針に反する返金を承認する。従来の制御では、その判断が誤っていても正当な操作として認識される可能性がある。説明可能性により、エージェントがなぜ行動したのか、また挙動のどこで問題が生じたのかを明らかにすることが意図されている。
Fiddlerは自社開発とサードパーティー製の両方のエージェントに対応し、OpenTelemetryによる計測に加え、LangGraph、Amazon Bedrock、AWS Strands、Google ADKにも対応する。判断単位で記録されるデータは、コンプライアンス対応や監査に役立つことを意図している。Falconでは、エージェントの意図や挙動が、エンドポイント、アイデンティティ、クラウド、ランタイムのセキュリティテレメトリーと結び付けられる予定だ。これによりセキュリティチームは、エージェントがなぜ行動したのかだけでなく、その結果として企業システム全体で何が起きたのかも調べられる。
Dreadnodeによる本番環境移行前のテスト
Dreadnodeでは、まず実施したいテストを平易な言葉で記述し、その後、本番環境への移行前にAIシステム、モデル、モデルリポジトリ、アプリケーション、エージェント、MCPサーバーを検証する。CrowdStrikeによると、ジェイルブレイク、プロンプトインジェクション、複数ターンにわたる攻撃、エージェント固有の攻撃など、50種類を超える攻撃手法を実行する。検出結果は深刻度に応じて順位付けされ、LLM向けOWASP Top 10、OWASP Agentic SecurityのASI01からASI10までのカテゴリー、MITRE ATLAS、NIST AI Risk Management Frameworkに対応付けられる。
結果は、検出事項の総数、攻撃成功率、深刻度別の内訳、検出結果の判定、さらに詳細なリスク指標をまとめたリスクビューに反映される。エクスポート可能なレポートは、実施可否の判断を支援する。人間のレビュアーは、攻撃者が入力した正確なプロンプトと対象の応答を確認し、攻撃の手順を一つずつ追い、検出結果を再分類し、深刻度を調整して、その判断根拠を記録できる。検出結果を再分類すると、ダッシュボードの指標も再計算される。
計画されている連携により、テストとランタイム防御が結び付く。Dreadnodeの検出結果はポリシーの推奨事項としてFalcon Guardianに取り込まれ、導入前に特定された弱点をリリース後の保護に反映できるようになる。テストデータはCrowdStrikeのSafeMindモデルにも活用される予定だ。Falcon Guardianは、企業が開発したAIをランタイムで検知し、対応する。一方、Falcon Observeは、エージェントが意図どおりに動作しているかを評価し、説明する。
これらの計画は、本番環境への移行前のテストと評価から、継続的な監視、ランタイム保護までをつなぐ一連のワークフローを示している。この流れの実現には、買収計画の完了と、約束された連携機能の構築が必要だ。そのため、提供開始目標に向けて計画を実行できるかどうかが、CrowdStrikeの拡大するAIセキュリティ戦略における最大の未解決事項となる。












