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建設工事の積算におけるAI:実用化されていること、まだデモ段階のこと、施工業者が見極める方法

建設工事は図面をもとに進められます。施工業者が建物の入札に参加する前に、チームの誰かが数量拾いを行います。設計者やエンジニアがプロジェクト用に発行したPDF図面一式を確認し、施工業者が供給・設置するすべてのもの、つまりコンセント、ドア、シンク、壁の延長フィート数、床の平方フィート数を数え、寸法を測ります。こうして算出した数量は、価格を記載した入札書のもととなる見積書に反映されます。落札した場合、設計変更に伴う価格記載済みの契約変更合意書に署名する際、同じ数量が変更契約にも再び使われます。
数量拾いは時間がかかり、反復的で、間違えた場合の損失も大きいため、AIの活用が期待される分野です。私は建設図面を読み取るソフトウェアを開発しており、話をする施工業者は、AIに関する主張のうち、どれを信頼すべきか見極めようとしています。ここでは、実際に機能するものと、まだデモ段階のものを区別する方法を紹介します。
導入よりも期待が先行
最近の2つの調査から、その隔たりが数字で見えてきます。2025年12月に公表された、Dodge Construction NetworkとCMiCによる調査では、施工業者の87%がAIによって業界が変革されると予想し、19%がAIに合わせて業務の進め方を変えたと回答しました。
測量士の専門職団体であるRICSは、建設業界におけるAIに関する2025年の報告書の作成にあたり、建設業界の専門職2,200人以上を対象に調査を行いました。約45%が、自組織ではAIが導入されていないと回答し、AIの利用が組織全体に完全に定着しているとした回答者は1%未満でした。Construction Diveは、「期待されるメリットがあるにもかかわらず、AIの導入に慎重な建設業者」という見出しで調査結果を報じました。

最近の2つの調査に見る、AIへの期待と導入状況。データ:Dodge Construction NetworkとCMiC(2025年12月)、RICS(2025年)。画像:Bildrix
着工前の段階、つまり入札、書類の確認、工程の計画など、施工業者が着工までに行う業務は、取り組みを始めるのに適した分野です。入力情報がすでにデジタル文書になっているためです。
現在実用化されていること
図面一式の読み取りは、すでに実用化された製品分野です。ソフトウェアは、図面一式のシートを分類して名前を付け、各図面の縮尺を特定し、プロジェクト用にエンジニアが作成した凡例と照合しながら、コンセント、照明器具、配管器具などの記号を数え、部屋や壁の寸法を測ることができます。図面上の記号認識は、長年にわたって研究が進められてきた分野です。2021年に公開されたFloorPlanCADのデータセットには、30の物体カテゴリーにわたる1万件を超える平面図に注釈が付けられており、研究者はこのタスクに使うモデルの訓練とテストを行うことができます。
ほかにも、実務で有効な機能が2つあります。1つは、図面や仕様書について質問すると、回答の根拠となったシートが示される機能です。そのため、人が数秒で内容を確認できます。もう1つは、確認済みの数量を見積書に引き継ぐ機能です。ただし、施工業者独自の価格表に該当項目が掲載されていることが条件です。
まだデモ段階のこと
次の3つの主張には、慎重な見極めが必要です。
誰も確認しない価格設定。資材費や人件費は地域によって異なり、変動もします。AIが提案する価格は妥当な出発点になり得ますが、提案価格であることが明確に表示され、入札書に反映する前に仕入先の見積もりと照合されるべきです。
あらゆる入力に対応し、すべての専門工事を網羅。設計ソフトから直接書き出された、きれいなベクターPDFは扱いやすいケースです。一方、スキャンした図面、図面をスマートフォンで撮影した写真、図面一式の一部しかない場合は、今も処理に支障が出ます。また、対応範囲は専門工事の種類によって大きく異なります。電気設備の図面をうまく読み取るツールでも、別の専門工事の図面にはほとんど対応できないことがあります。
完全自動で作成する入札書。入札の判断を左右する多くの要素は、図面には記載されていません。専門工事間の作業範囲の抜け、施工手段や工法、改修工事における既存の現場状況、工程、そして施工業者がどれだけのリスクを負う意思があるかなどです。最終的な金額に署名し、その責任を負うのは積算担当者です。

現在、実務で機能することと、まだデモ段階のこと。画像:Bildrix
デモ段階だと見極める4つの兆候
- ベンダーの図面でしか動かない。自社の図面一式で試せるか尋ねましょう。できれば、前四半期に入札した中で最も扱いにくかったものを使ってください。
- 定義のない単一の精度の数値を示す。何を数えたときの精度で、どの図面を使い、どのように測定したのでしょうか。項目ごとの内訳がない数値からは、ほとんど何も分かりません。
- 何も注意表示が出ない。どのモデルにも、確信を持てないことがあります。疑わしい点をまったく示さないツールは、それを隠しているのです。
- 出力が表計算ファイルで終わり、見積書には人が再入力する。数字を入力し直すたびに、誤入力が起きる可能性が生じます。
ベンダーに尋ねるべき質問
- どのような入力に対応し、どの専門工事を対象としていますか。また、対応しない作業は何ですか?
- 不確実性をどのように示しますか。また、自社の図面一式1セットを確認するのに、どれくらい時間がかかりますか?
- 出力を編集できますか。また、その編集内容は見積書や後の変更にも引き継がれますか?
- 自社のデータは、誰かのモデルの学習に使われますか。また、どこに保存されますか?
NIST AIリスク管理フレームワークは、最後のグループを検討するうえで有用な参考資料です。同フレームワークでは、信頼できるAIの要素として、とりわけ妥当性と信頼性、安全性と回復力、説明責任と透明性、プライバシーの強化を挙げています。これらはそれぞれ、請負業者がベンダーに尋ねられる質問につながります。
疑念を持てることが強みである理由
モデルはしばしば、実際以上に自信を示します。Guoらは2017年に、現代のニューラルネットワークは概して較正が不十分になりやすいことを示しました。ネットワークが示す確信度は、実際に正解する頻度と一致しないことがよくあります。較正を改善すれば、確信度スコアを作業キューとして活用できます。確信度の低い項目は人が確認し、高い項目には手早く目を通します。
この特性は、どんな目玉機能よりも重要です。積算担当者には、数百枚に及ぶ図面一式の数量をすべて再確認する時間はありません。一方、ソフトウェアが不確かだと判定した数十項目なら、確認する時間があります。入札には引き続き積算担当者が署名しますが、優れたツールがあれば、その確認を迅速に行えます。

ソフトウェアが図面を読み取って数量を数え、疑わしい箇所を人が確認し、積算担当者が入札に署名します。画像:Bildrix
Unite.AIは先日、Baber Javedによる、給与計算や入学審査など、ミスが許されない分野でのAI設計に関する記事を掲載しました。Javedは、金銭的または法的な影響を伴う事柄は決定論的なルールで制御し、モデルには解釈と説明を担わせ、誤りの代償が大きい場合には人が確認すべきだと論じています。建設工事の入札は、まさにその説明に当てはまります。
今後注目すべきこと
今後1年間の進歩は、最初の数量拾い出しを終えた後の工程で見られると考えています。図面の改訂版を比較し、変更された数量を、再入力することなく変更注文書や請求書に反映できるようになることです。改訂時には、価格を付け忘れた変更が無償の作業になってしまうため、請負業者は気づかないうちに損失を被ります。
請負事業を営み、こうした技術を試してみたいのであれば、自社の図面を使って試験運用し、すべての出力を人が確認する体制を保ち、費やした時間、発見した誤り、見逃した誤りなど、自社の数値を記録してください。ベンダーが示す数値よりも、そこから多くを学べるでしょう。
自分の名前を載せた入札に機械が読み取った数量を使うとしたら、信頼するために何を確認したいですか?












