パートナーシップ
WorkdayとAnthropic、ClaudeをSanaの人事・財務エージェントに接続

WorkdayとAnthropicは2026年10月13日、ラスベガスで開催されたWorkday Rising 2026で提携を発表しました。この提携により、Claudeの推論機能がSana AIエージェントと連携し、人事・財務に関するWorkdayのデータや業務コンテキストを活用できるようになります。この連携は、実行する業務に応じて、Workdayのエージェント型利用体験・オーケストレーション層であるSana、またはClaude上で利用できます。
連携の仕組み
この提携により、ユーザーは各環境のコンテキストと制御を維持したまま、SanaまたはClaudeで業務を始められます。ClaudeとSanaは、オープン標準であるModel Context Protocol(MCP)を通じて情報やタスクをやり取りするため、業務を最初からやり直すことなく、そのまま引き継げます。
Sanaでは、報酬改定サイクルや決算といった複雑な人事・財務業務を、エージェントが連携して進めます。Workdayによると、Sanaは従来は数週間かかっていたプロセスを、バックグラウンドで継続的に進むものへと変えます。各プロセスの開始から完了までコンテキストを保持し、リアルタイムの報酬一覧や例外処理キューなど、タスクごとに必要な作業環境を構築します。その間、データがWorkdayの外に移されることはありません。たとえば、従業員の昇給について説明するために上司が共有する文書の作成など、ある段階で必要になれば、SanaはClaudeの推論機能を利用し、その段階に必要なコンテキストだけを共有します。一方、例外事項は確認のため担当者に回されます。
Claude上では、従業員がSana AIエージェントを利用し、Workdayの人事・財務データを分析して、実際の操作を行えます。たとえば採用責任者は、募集中の職種を現在の人員数や予算と照らし合わせたうえで、既存チームのメンバーを配置してその職種を埋める社内人材流動化計画を作成できます。財務責任者は、請求書の例外事項を発注書と照合し、Claude上で承認するか、Sanaに処理を引き継ぐことができます。すべての操作には、Workdayに設定済みの顧客のアクセス権限と監査管理が適用されます。またClaudeが表示するのは、そのユーザーに閲覧が許可された情報だけです。
Workdayによると、共同顧客はWorkday Agent-Ready Toolsを使って、Claude上で独自のエージェントを直接構築できるようにもなります。ガバナンス、セキュリティ、監査証跡は最初から組み込まれています。管理者は一度接続するだけでよく、新たな権限モデルを構築したり、ユーザーごとに設定したりする必要はありません。
Workdayの製品・テクノロジー部門プレジデント、Gerrit Kazmaier氏は、顧客は、自社の業務を支えるビジネスルールを理解したうえで、従業員と資金に関わる業務を担う専門領域向けのAIエージェントを求めていると述べました。「Workday SanaとClaudeを組み合わせることで、企業全体で法令を遵守したAIを活用し、実際の業務を遂行できます」と同氏は語りました。
すでに築かれている関係
今回の提携は、すでにある両社の関係を発展させるものです。AnthropicはWorkdayの顧客であり、財務・人事業務にWorkday FinancialsとWorkday Human Capital Managementを利用しています。また、自社の事業運営を支えるため、Workdayのガバナンス、ルール、承認、監査管理を同様に活用しています。
WorkdayはClaudeを活用した開発も進めています。同社はClaude Enterpriseを導入済みで、今後Coworkの利用も開始する予定です。また、製品チームと開発チームはClaude Codeを使ってWorkdayの製品を開発しています。Workday Developer AgentはClaudeと連携し、開発者によるWorkday向けの開発を支援します。Workdayによると、Claude上のSana体験では、権限と制御を維持したまま、SanaとWorkday Agent-Ready ToolsをClaude上で共同顧客に提供します。
Anthropicでエンタープライズおよび業界向けエンジニアリング部門を率いるAnkur Sinha氏は、発表の中で「人事と財務に関する意思決定は、従業員一人ひとりの給与、役割、キャリアを左右します」と述べました。Claudeは、顧客自身の管理体制をあらゆる段階で適用しながら、より迅速かつ確信を持って意思決定できるよう支援する推論機能を提供すると同氏は説明しました。
提供状況とプラットフォームの概要
Claude上のSanaプラグインは、早期アクセスプログラムの顧客に提供されています。Workdayは、2026年後半に一般提供を開始する見込みです。Workday Agent-Ready Toolsは、Workday Extend AIを通じてすべての顧客に一般提供されており、2026年後半にはプラグイン経由でも利用可能になる予定です。両社は、顧客ニーズの変化に応じて2つの体験の連携方法を拡大できるよう、SanaとClaudeのロードマップについて今後も協力を続けると発表しました。
この発表と同じ日、WorkdayはTrusted Agent Platformがヘッドレスであると発表しました。これにより顧客は、自ら選択した開発ツールやモデルを使って、人事・財務分野のAIエージェントを構築、実行、管理できます。その発表でWorkdayは、Agent-Ready Toolsを自社のMCPツールと説明しました。これにより、MCPに対応するあらゆるエージェントが、承認された方法でWorkdayのデータを読み取り、操作を実行できます。また、Agent Harness、Workday Data Cloud、Developer Agent、Custom Agentsが一般提供されていると発表しました。このプラットフォームを使って開発するチームは、各エージェントを動かすAIモデルを選択できます。選択肢には、AnthropicのClaude、GoogleのGemini、MetaのLlama、Mistralのモデル、OpenAIのGPT、NVIDIAのNemotronオープンモデルが含まれます。Sinha氏は同発表で、MCPによりエージェントは業務が行われるシステムに標準的な方法で接続でき、Agent-Ready Toolsは企業がすでに信頼を寄せる権限と承認を維持すると述べました。
Workdayによると、エージェントが推論を始める前に必要なWorkdayのコンテキストを特定するAgent Context Serviceは、2026年後半にAgent Harness内で早期アクセス提供が開始される見込みです。エージェントがアクションを実行する前に、リクエストを企業のポリシー、ビジネスプロセス、テナントデータと照合するGrounded Reasoningは、2027暦年の初頭にAgent Harness内で早期アクセス提供が開始される見込みです。
Workday Risingの10月13日のデジタルプログラムには、太平洋時間午前11時のCIO室による基調講演と、午後1時45分の「急成長する財務部門のためのAnthropicの青写真」と題したセッションが含まれます。Workdayによると、Fortune 500企業の65%超を含む、世界中の11,500を超える組織が、成果を届けるWorkdayを信頼しています。












