パートナーシップ
Valarianとの提携により、Perplexity Computerを組織のサーバー上で提供

Perplexityは2026年10月20日、英国を拠点とするソブリンインフラ企業Valarianとの提携を発表した。この提携により、ライブウェブやその他の外部ネットワークから隔離されたエアギャップネットワークを含む、各機関独自のサーバーやシステム内でPerplexity Computerを利用できるようにする。
Computerはタスクを計画し、モデルやツールを連携させ、調査や複数段階のワークフローを実行する。提携の下では、ValarianのACRAプラットフォームが、組織の管理下にあるインフラ上でComputerを稼働させ、その作業を規定するアクセス権限やネットワークポリシーを適用する。これにより、組織はインフラ、データへのアクセス、権限を自ら管理しながら、Computerに機密性の高いタスクを実行させることができる。
Perplexityによると、このサービスは金融、政府、国防など、高度な規制が適用される業界の組織を対象としている。そうした組織では、AIをどこで稼働させるか、どの情報にアクセスさせるか、何を実行させるかを管理する必要があり、多くの場合、クラウドではなく自社のサーバー上で運用することが求められる。
組織向けにローカル導入を拡大
今回の提携は、Perplexityが年間を通じて拡充してきたローカルコンピューティング製品群をさらに広げるものだ。同社は2026年8月25日、ユーザーが所有するハードウェア上でComputerのモデルとエージェントを動かすPortable Computerを発表した。これにより、個人ユーザーは、許可があればクラウドにも接続しながら、プライベートなファイルを分析し、複数段階の作業をローカルで実行できる。PerplexityはMac向けのハイブリッドコンピューティングも提供している。これは、計画、調査、推論にはクラウドモデルを、プライベートなファイルや機密性の高い操作にはローカルモデルを使い分け、Macから外部に送信できる情報をデバイス上のプライバシーゲートで制御する仕組みだ。
Perplexityによると、Valarianとの提携は、ローカル導入モデルを組織のインフラにも広げるものだ。組織は、顧客が管理するクラウド環境や、組織が物理的に所有するサーバー全体にComputerを導入できる。Uptime Instituteの2025年調査によると、ITワークロードの推定45%はいまも企業のデータセンターで稼働している。Perplexityは、この仕組みにより、各組織のセキュリティ要件に基づいてすでに管理されている環境に、調査、分析、文書作成を導入できると説明した。
モデル、エンクレーブ、エアギャップ環境での運用
組織は、Nemotron、GLM、Kimi、DeepSeek-R1、Qwenなどのオープンウェイトモデルを自社のインフラ上で稼働させ、各タスクに必要な内部文書やシステムと接続できる。Computerは、モデル、メモリ、ツール、隔離された実行環境を組み合わせ、承認済みの情報を使って作業を実行する。
ワークロードごとに権限を変えることができる。Perplexityが例として挙げた市場調査エージェントは、公開情報や承認済みの外部フロンティアモデルを利用できる一方、法務エージェントはローカルモデルと割り当てられた訴訟ファイルを使い、外部との接続を遮断した状態で作業できる。Valarianは、こうしたワークロードを「エンクレーブ」と呼ぶ管理された環境に分け、データ、ツール、ユーザー、認証情報へのアクセスを個別に定める。組織は各ワークロードがアクセスできるデータとツールのルールを設定し、インフラがその制限を適用する。
エアギャップ環境での導入では、制御がさらに厳格になる。隔離されたネットワーク内で利用できるモデル、ツール、情報のみを使用し、外部のモデルAPIや公開ウェブとの稼働中の接続なしで運用する。
規制対象の各分野におけるユースケース
Perplexityは、政府、金融、法務、医療分野での導入例を紹介した。政府機関のチームは、承認された機関内の記録だけにアクセスできる隔離ネットワーク内で、内部調査資料や予算文書を基に政策説明資料を作成できる。金融機関は、機密性の高い取引文書をローカルで分析する一方、別のワークロードを使って、承認済みの外部接続を通じて公開市場を調査できる。
Perplexityが示した法務分野の例では、チームは担当弁護士の確認用に事件の時系列を整理し、メモを作成できる。その際、アクセス先は、担当案件のファイルと承認済みの判例に限定される。医療分野では、Computerが医療従事者の確認用に患者の病歴と直近の検査結果を要約できる。アクセス先は、医療提供機関が管理する環境内の、認可された記録に限られる。
セキュリティ制御と提供状況
この導入形態では、データ、ツール、認証情報、ネットワーク接続へのアクセスを管理するValarianのインフラ制御と、Computerの隔離された実行環境を組み合わせ、権限の異なるワークロードを分離する。Computerは、コードの実行やファイル処理を封じ込めるサンドボックスを使用し、タスクに必要なリソースへのアクセスを制御する。Perplexityによると、こうした保護策により、エージェントが予期しない動作をした場合の影響範囲を抑えられる。
セキュリティチームは、アクセス判断やワークロードの活動を把握できる監査記録を受け取る。Perplexityによると、Valarianは各ワークロードに一貫した制御を適用するため、組織はアプリケーションごとに同じ保護策を一から構築することなく、Computerの利用を拡大できる。
Perplexityによると、Valarianと連携したComputerは、機密データを自社システム内に保ちながら高度なAI機能を必要とする、規制対象の組織やその他の組織向けに構築されている。導入は2026年10月20日から可能で、導入について相談するにはsovereignai@perplexity.ai宛てにメールで問い合わせることができる。












