パートナーシップ
Databricks、Genie、Lakeflow、LakebaseでSAPとの提携を拡大

Databricksは、SAPとの提携を拡大し、Genie、Lakeflow、Unity Gateway、Lakebaseの各機能をSAP Business Data Cloud内のSAP Databricksに導入するとともに、SAPアプリケーションのデータにアクセスするための新しいSAP Application Data Foundationを導入すると2026年10月30日に発表した。
Databricksは、今回の提携拡大の背景にビジネスコンテキストの重要性があると説明した。現在のAIモデルには、企業が実際にどのように運営されているかを理解するためのコンテキストが依然として不足しており、大半の企業ではその情報がSAPシステムにあるという。Databricksによると、Fortune 500企業の90%超がSAPのソリューションを利用している。
SAPは2026年10月29日、SAP TechEd Berlinでの発表について独自の説明を公開した。投稿者はSAP Data & Analyticsの社長兼最高製品責任者であるIrfan Khan氏。SAPは、提携の拡大によりLakeflow、Agent Bricks、Unity Gateway、LakebaseがSAP Business Data Cloud内のSAP Databricksで利用可能になると説明した。これは、レイクハウスやビジネスデータファブリックに関する、より広範な発表の一環である。
DatabricksとSAPは2025年2月13日、戦略的な製品・市場開拓パートナーシップとしてSAP Databricksの提供を開始した。この取り組みでは、新たに提供が始まったSAP Business Data CloudにDatabricks Data + AI Platformをネイティブに統合した。SAP Business Data Cloudの一部としてSAPが販売するこのサービスは、AWS、Azure、Google Cloudで段階的に展開すると発表された。またDatabricksは、顧客やシステムインテグレーターのパートナーがSAP Databricksの導入や移行を成功させられるよう、2億5,000万ドルを充てると述べた。
Databricksによると、一般提供開始以降、Adidas、Zalando、Mondi、CAFなどの顧客がSAP DatabricksとSAP Business Data Cloud Connect for Databricksを活用し、ゼロコピーの双方向OpenSharingを通じて、稼働中のSAP Data Productsを分析・管理し、それらを基盤とするAIを構築している。
SAP Application Data Foundation
SAP Application Data Foundationを使うと、SAPアプリケーションのデータを、SAP Databricksを含む、SAP Business Data Cloudの任意のエンジンで利用できる。SAPはこれを、SAPアプリケーションのデータにアクセスするためのクラウドネイティブな方法と説明し、総所有コストの削減と、価値実現までの時間の短縮に役立つとしている。
Databricksによると、これまでSAPアプリケーションのデータにアクセスするには、データをコピーするカスタム抽出パイプラインを構築・保守するのが一般的だった。その過程でビジネスコンテキストが失われ、ガバナンスも分断されていた。SAP Application Data Foundationを利用すれば、SAPのデータ製品をSAP BDC Connectで共有し、追加のパイプラインやデータコピー、サイロを作らずにゼロコピーでアクセスできる。また、データエンジニアは意味情報が豊富なSAPのビジネス基盤上にモデルを構築できるため、分析やAIに実際の事業運営の実態を反映できる。
Databricksは、オンプレミスのSAP ECCで財務とサプライチェーンを運用する製造業者を例に挙げた。クラウドへの移行を計画する間、SAP Application Data Foundationを使って数年分の受注履歴をSAP Databricksに取り込み、データエンジニアがサードパーティーのデータを加えて履歴を充実させ、SAPのビジネスセマンティクスに基づく需要予測モデルを構築できる。さらに、移行後もその取り組みを継続できる。
SAP Databricksに導入予定の機能
Databricksによると、今回の提携拡大では、同社のデータおよびエンタープライズAI機能をすべてSAP Business Data Cloudに組み込み、SAP Databricksで提供する計画だ。Genieは、ガバナンスが確保されたデータとAIに、企業のコンテキストを組み込んだ状態で各チームが即座にアクセスできるようにするAIコワーカーとして紹介されている。SAPの中核データに含まれるコンテキストを各チームやエージェントに届けるという。GenieとSAPのJouleの双方向連携も計画されており、回答やアクションをSAPの各種エクスペリエンス内で利用できるようにすることを目指す。
Lakeflowは、データの取り込み、変換、オーケストレーションを行う統合データエンジニアリングソリューションであり、チームはSAPデータをIoT、CRM、サードパーティーのデータソースと組み合わせたパイプラインを構築できる。Unity Gatewayは、エージェント、ツール、モデル、MCP全体にわたるマルチAIガバナンスとコスト管理を提供する。DatabricksはLakebaseを、AIアプリやエージェント向けに構築された初のサーバーレスかつミッションクリティカルなPostgresデータベースと説明している。SAP上の業務データアプリや企業データを対象とする。
ガバナンスと市場開拓の拡大
Databricksによると、Unity CatalogとUnity Gatewayは、SAPデータとSAP以外のデータにまたがるデータ、モデル、エージェントを管理する。顧客は、SAP Databricksを使ってSAP Business Data Cloud内のSAPデータを利用することも、管理されたSAPデータ製品を既存のDatabricks環境に取り込むこともでき、任意のクラウド上で任意のモデルを利用できる。また両社は市場開拓の提携も拡大し、共同の顧客がAI変革を加速できるよう、現場で連携する共同チームを設けるとDatabricksは述べた。
「データはエンタープライズAIの基盤です」と、SAPの最高技術責任者であるPhilipp Herzig氏は発表の中で述べた。Herzig氏は、Databricksの最新機能をSAP Business Data Cloudに導入することで、SAPが持つビジネスプロセスとミッションクリティカルなアプリケーションへの理解を、Databricksのデータプラットフォームと組み合わせられると説明した。それにより、顧客は企業データを、SAPが「自律型企業」と呼ぶものの基盤へと変えられるという。
Databricksで事業戦略・オペレーション担当シニアバイスプレジデントを務めるMichael Kiermaier氏は、企業はDatabricksプラットフォーム上にSAPデータをすべて集約し、GenieとJouleを組み合わせることで、あらゆるチームやエージェントにビジネスコンテキストを提供できると述べた。
SAF-Hollandへの導入と提供状況
トレーラー、トラック、バス向けのシャシー部品を製造するグローバル企業のSAF-Hollandは、SAP Business Data CloudとSAP Databricksを活用して、顧客、納入、資材に関する1億件を超えるレコードを統合し、機械学習を用いて顧客への納入スケジュールの信頼性を予測しています。Databricksによると、SAF-Hollandは従来のレポート作成手法と比べて5倍の速さで分析を行えるようになり、複雑なSAPデータを数週間ではなく数分で、計画立案やサプライチェーンに関する知見へと変換しています。
「SAPのデータエコシステムをDatabricksに開放したことで、社内チームの分析能力が向上し、最終的にはお客様への提供価値の向上にもつながっています」と、SAF-Hollandのグローバル・デジタル・インテリジェンス担当シニアマネージャー、David Gund氏は述べています。
SAP DatabricksとSAP Business Data Cloud Connect for Databricksは、現在利用可能です。Databricksは、新しいSAP Application Data Foundationと拡張されたSAP Databricksの機能について知りたい顧客に対し、SAPまたはDatabricksのアカウントチームへの問い合わせを案内しています。












